アレクサンデルハレンシス(英語表記)Alexander Halensis
Alexander of Hales

改訂新版 世界大百科事典 の解説

アレクサンデル・ハレンシス
Alexander Halensis
Alexander of Hales
生没年:1185ころ-1245

イギリス出身のフランシスコ会神学者パリ大学で学び,はじめ人文学部教授となったが,後に神学部の教授となり,慣例を破って講義テキストとして聖書の代りにペトルス・ロンバルドゥスの《命題論集》を用い,思弁的なスコラ神学先駆者となった。主著神学大全》はアリストテレス哲学の全面的な導入以前のフランシスコ学派神学の代表的著作である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アレクサンデル・ハレンシス
あれくさんでるはれんしす
Alexander Halensis
(1170/1185―1245)

ヨーロッパ中世の神学者、哲学者。イギリスのヘイルズ生まれ。パリ大学で神学を講じる。博識のため「不可抗博士」「神学者の王者」といわれ、スコラ学、フランシスコ会学派の創始者となる。主著の『神学大全』は、アリストテレスの自然学、形而上(けいじじょう)学、およびアラビアとくにイブン・シーナーアビケンナ)の思想を取り入れた最初の大全であるが、それらの教説が、新プラトン主義の影響を受けたアウグスティヌスやビクトル学派の説と対立するときは、アウグスティヌス・ビクトル学派の意見を優先するという仕方で、13世紀フランシスコ会神学の基礎を置いた。

[坂口ふみ 2017年11月17日]

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