日本大百科全書(ニッポニカ) 「アレシンスキー」の意味・わかりやすい解説
アレシンスキー
あれしんすきー
Pierre Alechinsky
(1927― )
ベルギーの画家。ブリュッセルに生まれ、同地の装飾美術学校で書物の挿絵と印刷技術を学んだ。1948年ベルギー現代美術賞を受けてパリに滞在。1949~1951年「コブラ」グループの最年少ながら代表的な画家として活躍する。初期からグラフィックな記号を油彩のコンポジションのなかに混入していたが、1955年極東旅行後この傾向をますます強め、奔放な彩色のなかに形象のメタファー(暗喩(あんゆ))を浮上させている。デザイナーおよびイラストレーターとしての多くの業績のほか、映画製作にも従事し、1956年日本の書道についての映画を製作した。1957年ベルガモの美術映画祭で特別賞、1961年(昭和36)東京の文化映画祭で名誉賞を受賞した。日本では1955年なびす画廊(東京)、1980年および1984年かねこ・あーとギャラリー(東京)、1996年(平成8)早川画廊(大阪)で個展を開催したほか、1993年姫路市立美術館のベルギー現代美術展に参加した。
[野村太郎]