イタリアのロンゴバルド族-権勢の足跡(読み)イタリアのロンゴバルドぞく けんせいのそくせき

世界遺産詳解 の解説

イタリアのロンゴバルドぞく けんせいのそくせき【イタリアのロンゴバルド族-権勢の足跡】

2011年に登録された世界遺産(文化遺産)。イタリア半島に分布するロンゴバルド族の要塞教会修道院などの7つの建築群で構成される。北欧からデンマークハンガリーを経由して、パンノニアに定住したロンゴバルド族は、568年にロンゴバルド王国を樹立した。774年にフランク王国カール大帝に滅ぼされるまで200年余り王国を保った。その間にいかなる文化を展開・発展させたかを物語るのが、この建築群である。その様式は、古代ローマ・カトリック・ビザンチン北方ゲルマン各文化の融合したもので、古代から中世への移行期における文化の展開がどのようなものであったかを語っている。こうした建築物を見ると、ロンゴバルド族は、北方からの野蛮な侵略者だったわけではなく、修道院の活動をはじめ、中世ヨーロッパのキリスト教の精神的・文化的な発展の基礎づくりに貴重な役割を果たしたことがわかり、ヨーロッパ文化史に及ぼした影響をよく理解することができる。◇英名はLongobards in Italy. Places of the Power (568-774 A.D.)

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android