イドリース(読み)いどりーす(その他表記)Sayyid Muhammad Idris al-Sanusi

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イドリース」の意味・わかりやすい解説

イドリース(1世)
いどりーす
Sayyid Muhammad Idris al-Sanusi
(1890―1983)

リビア国王(在位1951~1969)。1916年サヌーシー教団宗主アハメッド・イドリースの後継者としてキレナイカ州の首長となる。1920年イタリアの統治に反対してエジプト亡命。1943年帰国。1951年リビアが王国として独立すると国王(元首)に即位トルコで病気療養中の1969年、カダフィ大佐を中心とする青年将校のクーデター王位を追われ、エジプトに亡命。1971年にはリビア革命軍事法廷で死刑を宣告されたが、1974年エジプト政府からエジプト国籍を授与された。1983年カイロ市内で病死

[福田邦夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のイドリースの言及

【イドリース朝】より

…789‐926年。第4代カリフ,アリーの子孫イドリースIdrīs b.‘Abd Allāh(?‐793)がメディナでの反乱に失敗した後,モロッコに逃れベルベル人の一派アウラバ族の支持を得て建国した。史上最初のシーア派王朝とされるが,その政治に,顕著なシーア派的特徴はない。…

【リビア】より

…第2次大戦中の42年,リビアはイタリア軍を打破したイギリスにトリポリタニアとキレナイカを,フランスにフェッザーンを軍事占領されることになる。戦後,リビアは51年12月にサヌーシー派のムハンマド・イドリース・アッサヌーシーを国王(イドリース王)とする連邦国家として独立を宣言し,52年,国連決議に基づき国際的にも独立を達成した。 新たなリビアの担い手として国王の地位にサヌーシー派の指導者イドリースが就いたのは,欧米諸国の支援によってである。…

※「イドリース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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