イブヌル・ハイサム(その他表記)Ibn al-Haytham

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イブヌル・ハイサム」の意味・わかりやすい解説

イブヌル・ハイサム
Ibn al-Haytham

[生]965頃.バスラ
[没]1038. カイロ
イスラム教徒の数学者,物理学者。ラテン名はアルハゼン Alhazen。ファーティマ朝ハーキムに仕えてナイル川治水にあたろうとしたが,不可能であることを悟ったと伝えられている。最もよく知られた業績は,初めて正しい視覚理論を与え,視覚は対象物から出た光が目に入ることによって起こると主張したことである。光の反射屈折,虹,レンズの機能などについても論じた。日没後あるいは日の出前の薄明現象を大気屈折で説明したのは彼であるとされているが,別人の業績であるとの説もある。彼の『光学』は 1270年にラテン語に翻訳され R.ベーコンウィテロなどに大きな影響を与えた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む