イベンス(読み)いべんす(その他表記)Joris Ivens

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イベンス」の意味・わかりやすい解説

イベンス
いべんす
Joris Ivens
(1898―1989)

オランダドキュメンタリー映画作家。ナイメーヘン生まれ。13歳で最初の映画をつくるが、1927年自主映画組織の先駆けをなす「フィルムリガ」の設立から本格的な映画活動に入る。初期には『橋』De brug(1928)のような実験的な作品もあるが、1929年のソ連訪問を経て関心が社会問題に向けられ、以後世界各地の民衆の闘い、建設創造をテーマとし、国際的に活躍。日本では『セーヌの詩(うた)』(1957)、『ベトナムから遠く離れて』(1967、共同監督)などが公開された。

奥村 賢 2022年6月22日]

資料 監督作品一覧

橋 De brug(1928)
雨[共同監督] Misèr au Borinage(1934)
スペイン大地 The Spanish Earth(1937)
四億 The 400 Million(1939)
動力と大地 Power and the Land(1940)
セーヌの詩 La Seine a rencontré Paris(1957)
空・大地 Le ciel, la terre(1966)
ベトナムから遠く離れて[共同監督] Loin du Vietnam(1967)
風の物語 Une histoire de vent(1988)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イベンス」の意味・わかりやすい解説

イベンス
Ivens, Joris

[生]1898.11.18. ナイメーヘン
[没]1989.6.28. パリ
オランダのドキュメンタリー映画監督。『橋』 Der Brug (1928) ,『雨』 Regen (29,共同監督) などを撮ったあとソ連へ行き『コムソモール』 Komsomol (32) を撮り,以後一貫して民衆の立場から世界各国で仕事をした。ほかの作品に『スペインの大地』 The Spanish Earth (37) ,『4億の民』 The 400 Millions (39) ,『最初の年月』 Pierwsze Lata (49) ,『ベトナムから遠く離れて』 Loin du Vietnam (67,一挿話) など。

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