イワシャジン(読み)イワシャジン(その他表記)Adenophora takedae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イワシャジン」の意味・わかりやすい解説

イワシャジン(岩沙参)
イワシャジン
Adenophora takedae

キキョウ科多年草。関東南西部,中部地方南東部に分布し,渓畔岩場下垂して生える。茎は細く垂れ,長さ 30~55cmで無毛。根生葉は卵形茎葉は互生し,広線形で縁には内曲する低鋸歯があり,先端は尾状,基部は次第にせばまり葉柄に移行する。葉の表面にはまばらに短毛がある。9~10月,長さ 15~25mmで紫色鐘形花1~2個を下向きに開く。花冠は先が5浅裂し,は線形でまばらに小歯があり,花柱は花冠内にあって突出しない。和名は岩場に生えるシャジン (ツリガネニンジン〈釣鐘人参〉 ) の意。別名イワツリガネソウ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イワシャジン」の意味・わかりやすい解説

イワシャジン
いわしゃじん / 岩沙参
[学] Adenophora takedae Makino

キキョウ科(APG分類:キキョウ科)の多年草。茎は長さ20~40センチメートル。根出葉は卵形、茎葉は広線形である。9~10月、日陰の岩場に垂れ下がって紫色の鐘形花を開く。関東西部、中部地方南東部に分布する。変種ホウオウシャジンは小形の高山型で赤石山脈南アルプス)の鳳凰山(ほうおうざん)に分布する。

[高橋秀男 2021年10月20日]

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世界大百科事典(旧版)内のイワシャジンの言及

【ツリガネニンジン(釣鐘人参)】より

…日本には10種ほど自生している。イワシャジンA.takedae Makino(イラスト)は東海地方に分布し,岩壁に生える。ソバナA.remotifolia Miq.は長い葉柄があり,本州~九州および朝鮮に分布し,ふつう谷筋に生える。…

※「イワシャジン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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