イワハタザオ(読み)いわはたざお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イワハタザオ」の意味・わかりやすい解説

イワハタザオ
いわはたざお / 岩旗竿
[学] Arabis serrata Fr. et Sav. var. japonica (H.Boiss.) Ohwi

アブラナ科(APG分類:アブラナ科)の多年草。茎は叢生(そうせい)し高さ10~35センチメートル、根際の葉は倒卵形で、粗い鋸歯(きょし)と星状毛があり、基部はしだいに細まる。花期は5~7月、花弁は白く狭倒卵形。果実は開出し、種子楕円(だえん)形で長さ1.5~2センチメートル、上部に狭翼がある。火山砂礫(されき)地や蛇紋岩、石灰岩地帯、海岸などに生え、北海道から樺太(からふと)(サハリン)、済州島まで分布する。異変が多く、基本種はフジハタザオといい、富士山の砂礫地に生育し、中部地方のものをイワハタザオ、千葉県以南の本州、四国、九州のものをシコクハタザオ、東北地方、北海道、樺太のものをエゾノイワハタザオという。

[小林純子 2020年11月13日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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