1970年代前半にアメリカのゼロックス社のパロアルト研究所Palo Alto Research Center(略称PARC)で開発されたローカルネットワーク(構内情報網、LAN)、またはこのイーサネットが用いる方式をいう。CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)とよばれる方式を用いる。基本的に1本のケーブルに多数のコンピュータが接続される(バス方式)。情報を送り出したいコンピュータは、ケーブル上にデータが流れていないときを見計らって、データをケーブル上に流す。他のコンピュータがやはり同時にデータを流したときは、衝突が起きデータが混信するので、エラーを検出し、ただちに止める。混信がなければこのデータはケーブルに接続されたすべてのコンピュータに伝わる(あたかもエーテルetherの中を電波が伝わるように)が、受信側では自分あてのものかどうかの判定はそれぞれのコンピュータが行う。衝突が生じたときにはある適当な時間を待ってから再送を試みる。この方法によって複数の送信要求によるデータの衝突を回避する。こうしてバス型のローカルネットワークを形成することができる。ローカルネットワークの方式には、このほかトークンリングやトークンバスなど何種類かが提案され実用化されたが、現在ではほとんどがイーサネット方式をとっている。これらのローカルネットワークを相互接続する方式がインターネットである。初期のイーサネットの通信容量は10メガビット/秒であったが、現在では光通信を利用した数ギガビット/秒のものも少なくなく、10ギガビット/秒のものも出現している。
[田村浩一郎]
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