イーサネット(読み)いーさねっと(その他表記)ethernet

デジタル大辞泉 「イーサネット」の意味・読み・例文・類語

イーサネット(Ethernet)

米国ゼロックス社・ディジタルイクイップメント社・インテル社などが共同で開発したLAN規格の一。LANの実質的な標準規格として普及伝送速度を高速化したファーストイーサネットギガビットイーサネット10ギガビットイーサネットなどを含めた規格の総称を意味することもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イーサネット」の意味・わかりやすい解説

イーサネット
いーさねっと
ethernet

1970年代前半にアメリカのゼロックス社のパロアルト研究所Palo Alto Research Center(略称PARC)で開発されたローカルネットワーク(構内情報網、LAN)、またはこのイーサネットが用いる方式をいう。CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)とよばれる方式を用いる。基本的に1本のケーブルに多数のコンピュータが接続される(バス方式)。情報を送り出したいコンピュータは、ケーブル上にデータが流れていないときを見計らって、データをケーブル上に流す。他のコンピュータがやはり同時にデータを流したときは、衝突が起きデータが混信するので、エラーを検出し、ただちに止める。混信がなければこのデータはケーブルに接続されたすべてのコンピュータに伝わる(あたかもエーテルetherの中を電波が伝わるように)が、受信側では自分あてのものかどうかの判定はそれぞれのコンピュータが行う。衝突が生じたときにはある適当な時間を待ってから再送を試みる。この方法によって複数の送信要求によるデータの衝突を回避する。こうしてバス型のローカルネットワークを形成することができる。ローカルネットワークの方式には、このほかトークンリングやトークンバスなど何種類かが提案され実用化されたが、現在ではほとんどがイーサネット方式をとっている。これらのローカルネットワークを相互接続する方式がインターネットである。初期のイーサネットの通信容量は10メガビット/秒であったが、現在では光通信を利用した数ギガビット/秒のものも少なくなく、10ギガビット/秒のものも出現している。

[田村浩一郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イーサネット」の意味・わかりやすい解説

イーサネット
Ethernet

LANで標準となっている規格。「宇宙を満たして光を伝える」という仮想物質エーテル etherから名づけられた。アメリカ合衆国のゼロックスが 1970年代に開発,1980年にインテルとディジタル・イクイップメントが参加して共同開発した仕様を公開し,標準の規格となる基礎をつくった。最大 1024台までのコンピュータを接続できる。当初のデータ伝送速度は 10メガビット毎秒 Mbps。アメリカ電気電子技術者協会 IEEEが IEEE802規格として採用,LANの標準的な接続規格となった。また接続ケーブルも IEEEの 10BASE規格として標準化され,直径 1cmの太い同軸ケーブルを使う 10BASE5,直径 5mmの細い同軸ケーブルの 10BASE2などがあるが,近年は配線の容易な 10BASE-Tが多く使われている。その後,100Mbpsで利用できる 100BASE-Tも登場,光ファイバなど,より速い回線網が必要とするさらに高速の規格もある。

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パソコンで困ったときに開く本 「イーサネット」の解説

イーサネット

LANを構築するためのケーブルの種類や端子の形、通信の仕組みなどを定めた規格です。いくつかの種類があり、パソコンでの主流は1000BASE-T、デジタル家電では100BASE-TXがよく使われます。
⇨100BASE‐TX、
1000BASE‐T、LAN

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

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