ゼロックス(読み)ぜろっくす(英語表記)Xerox Corp.

デジタル大辞泉 「ゼロックス」の意味・読み・例文・類語

ゼロックス(Xerox)

米国のゼロックス社が1960年に商品化した電子写真複写機。商標名。

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共同通信ニュース用語解説 「ゼロックス」の解説

ゼロックス

米事務機大手。1906年に印画紙メーカーとして設立本拠地コネティカット州。複写機は世界を一時席巻し「ゼロックス」がコピー代名詞となった。プリンターや関連サービスも手掛ける。70年代には研究所マウスアイコンを開発した。2017年12月期の売上高は102億6500万ドル(約1兆1200億円)。

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精選版 日本国語大辞典 「ゼロックス」の意味・読み・例文・類語

ゼロックス

  1. ( Xerox Corp. の略 ) アメリカの複写機メーカー。また、同社製の複写機および複写方式(ゼログラフィー)の商標名。一九六〇年、世界最初の電子乾式複写機を市場化。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゼロックス」の意味・わかりやすい解説

ゼロックス
ぜろっくす
Xerox Corp.

アメリカの大手事務機械メーカー。複写機(コピー機)の製造では世界最大。1906年ニューヨーク州に設立されたハロイド社Haroid Co.が前身。同社は、カールソンChester F. Carlson(1906―1968)が発明した乾式の複写法である「電子写真法」(後に「ゼログラフィー」と名づける)の特許権を取得して、1948年に「ゼロックス・モデルA型」複写機を発売した。1958年にハロイド・ゼロックスと改称され、さらに1961年に現社名となった。ゼロックスが飛躍的な発展を遂げたのは、1960年に普通紙にコピーのとれる世界初の完全自動複写機「ゼロックス914」を市場に送り出したからで、IBMを見習ったレンタル制を採用してその売上高を急速に伸ばしていった。他社製の乾式複写機との競争激化とともに、これまでのような急成長は望めないものの、複写機業界ナンバー・ワンの地位はいまだに揺らいでいない。2008年の売上高は176億0800万ドル、純利益は2億3000万ドルに上る。

 日本ではランク・ゼロックスRank Xerox Ltd.(1956年設立のイギリスにおける子会社。現、ゼロックス・リミテッド)と富士写真フイルム(現、富士フイルムホールディングス)との折半出資による富士ゼロックスが1962年(昭和37)に設立され、国内生産および輸出に携わっている。

[佐藤定幸・萩原伸次郎]

 なお、2001年(平成13)に富士ゼロックスに対する富士写真フイルムの出資率が75%に引き上げられた。

[編集部]

『D・カーンズ、D・ナドラー著、杉山成司訳、小林陽太郎監訳『ゼロックスの反撃――原点からの復活に賭けた巨大企業の軌跡』(1993・ダイヤモンド社)』

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百科事典マイペディア 「ゼロックス」の意味・わかりやすい解説

ゼロックス[会社]【ゼロックス】

コピー機最大手。1906年創業。米国の一無名感光紙会社にすぎなかったが,1950年ゼログラフィーによる自動複写機を開発,1961年現社名に改称し,機器賃貸方式で急成長,米国および主要国複写機市場の60%以上を制した。ファクス,プリンター,スキャナー機能を併せ持った多機能コピー機が主力。紙やインク,トナーなどの消耗品も扱う。日本法人には富士ゼロックスがある。本社コネティカット州。2011年12月期売上高226億2600万ドル。
→関連項目GUI

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゼロックス」の意味・わかりやすい解説

ゼロックス
Xerox Corp.

アメリカ合衆国の複写機メーカー。1906年写真感光紙メーカー,ハロイドとして設立。1958年ハロイド・ゼロックスと改称。1959年世界で初めて商用乾式複写機を発売。1961年現社名に変更。商用乾式複写機のレンタル方式の採用などで業界首位の座を占めるにいたったが,IBMの複写機分野への進出に伴い,1960年代後半にデジタル・コンピュータのメーカーや教科書会社を買収し,コンピュータ,情報,教育の分野へと経営を多角化した。海外進出も積極的に展開し,1956年イギリスのランクと合弁でランク・ゼロックス(現ゼロックス Ltd.)を設立,アメリカ以外での製品販売を担当。日本には同社と富士写真フイルム(現富士フイルムホールディングス)の合弁会社富士ゼロックスが 1962年に設立された。

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改訂新版 世界大百科事典 「ゼロックス」の意味・わかりやすい解説

ゼロックス
Xerox

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世界大百科事典(旧版)内のゼロックスの言及

【電子写真】より

… 弁理士をしていたアメリカのカールソンChester F.Carlson(1906‐68)は,転記作業を機械により効率よくできないものかと考えて研究に取り組み,1938年,亜鉛板上に溶融塗布した硫黄層に摩擦帯電で静電荷を与え,これをリュポジューム粉(検電粉の一種)で現像して写真像を得ることに成功,今日の電子写真の基本原理を発明して特許(1940)を得た。その後,この方式はアメリカのゼロックス社によって,硫黄の代りに非晶質セレンを,摩擦帯電の代りにコロナ放電を使用するなど,工程の改善が行われ,50年にゼロックスXEROXの名で商品化された。これは間接方式で普通紙へのコピーが可能である。…

※「ゼロックス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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