ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィタリアヌス」の意味・わかりやすい解説
ウィタリアヌス
Vitalianus
[没]672.1.27頃. ローマ
セーニ出身の第76代教皇(在位 657~672)。聖人。教皇エウゲニウス1世(在位 654~657)の後継者として 657年7月に登位。ビザンチン皇帝コンスタンス2世(在位 641~668)が 648年に発布した勅令チュポスは,キリスト単意説の問題に関する討論を禁止して教会に統一を強制するものだったが,実際には東西教会の分裂を引き起こしていた。ウィタリアヌスはキリスト単意説に平和的に対処し,チュポスの糾弾も取り下げたため,コンスタンス2世から正式に教皇と認められた。663年,コンスタンス2世のローマ訪問に際しては荘厳に迎え入れた。また,668年にタルソスのテオドロスを,イギリス全土の教会を統治する初のカンタベリー大司教に任命した。祝日は 1月27日。
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