ウォルフォウィッツ(英語表記)Wolfowitz, Paul

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウォルフォウィッツ」の意味・わかりやすい解説

ウォルフォウィッツ
Wolfowitz, Paul

[生]1943.12.22. ニューヨーク,ブルックリン
アメリカ合衆国の政府高官。フルネーム Paul Dundes Wolfowitz。2001~05年にブッシュ政権の国防副長官を務め,イラク戦争を推進した。2005~07年に国際復興開発銀行(世界銀行)総裁を務めた。ポーランド移民の父が数学の教鞭をとっていたニューヨーク州のコーネル大学で 1965年に数学の学士号を取得。その後シカゴ大学で政治学を学び,1972年に博士号を取得。新保守主義第一人者であったレオ・シュトラウスに師事した。1973~77年に軍備管理・軍縮庁において戦略兵器制限交渉担当者,1977~80年には国防省の副次官補を務める。レーガン政権下では国務次官補(東アジア・太平洋担当)を経て駐インドネシア大使。1989~93年のブッシュ政権時には国防次官(政策担当)としてディック・チェイニー国防長官の下で湾岸戦争の計画に携わった。その後,下野して学界に入り,2001年政界に復帰,ドナルド・ラムズフェルド国防長官のもとで国防副長官に就任した。同 2001年のアメリカ同時テロをうけたアフガニスタン攻撃(→アフガニスタン紛争)を支持し,アメリカ主導のイラク戦争を推し進めた。2005年,ブッシュ政権を離れて世界銀行総裁に就任。2007年6月末に辞任した。

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