ウォレス線(読み)ウォレスせん(その他表記)Wallace's Line

最新 地学事典 「ウォレス線」の解説

ウォレスせん
ウォレス線

Wallace's line

東洋区とオーストラリア区を分ける動物地理学上の境界線。ワーレス線とも。A.R.Wallaceが1858年に発案。この線より東の動物相はスンダ動物群(Sundaic animals),西のものはパプア動物群(Papuasian animals)と呼ばれる。バリ島とロンボク島の間から,ボルネオ島とセレベス島間のマカッサル海峡を経て,フィリピン群島ミンダナオ島とカラケロン島の間にぬける。この境界線についてはセレベス島の東を通るという説(A.R.Wallace,1910)や,パラワン島の東を通ってフィリピン群島の北で太平洋にぬける説(ハクスリー線;T.H.Huxley, 1868)がある。チモール島の東からブル島やハルマヘラ島の西を通るウェーバー線(M.Weber, 1904)とウォレス線との間はウォラセア(Wallacea)と呼ばれる推移帯となっている。植物地理学上は旧熱帯植物界インドーマレー亜植物界のマレー区系域の中に含まれる。ウォレス線の一部は,ボルネオ区系区およびフィリピン区系区とセレベス-モルッカ区系区との境界となるが,ジャワ-スマトラ-スンダ列島区系区にぶつかって不明となる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウォレス線」の意味・わかりやすい解説

ウォレス線
ウォレスせん
Wallace's Line

動物地理学上の重要な分布境界線の一つ。東南アジア小スンダ列島のバリ,ロンボク島間のロンボク海峡から,ボルネオ,スラウェシ (セレベス) 島間のマカッサル海峡を通り,ミンダナオ島の東側にいたる。イギリスの博物学者 A.ウォレスが昆虫類,貝類,爬虫類鳥類,幾種類かの哺乳類の分布を調べて,この線の西側は動物地理学上の北界の東洋区 (または旧熱帯区) に,東側は南界のオーストラリア区に属するとし,のちにウォレス線と命名された。高等哺乳類の分布限界。ウォレス線とウェーバー線にはさまれたスラウェシ,ティモールフロレス,スンダの諸島を含む地域は,両区の推移地域の性格が強く動物相は貧弱で,ウォレシア Wallaceaと呼ばれる。

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