インド中部、マディヤ・プラデシュ州西部の都市。ウッジャイン、ウージャインともいう。人口42万9933、周辺部を含む人口43万0669(2001)。チャンバル川の支流シプラ川の流域に位置し、小麦、綿花、ケシなどの集散地で、綿紡績、綿織物、メリヤス製造などの繊維工業と食用油、菓子製造などの食品工業が盛んである。自然条件に恵まれたこと、ヒンドスタン平野と西部沿岸地域を結ぶ交通の要地であったことなどから、古くより諸王朝の都として栄えた。チャンドラグプタ2世(在位376~415ころ)時代の詩人カーリダーサは、「天国をもたらすべく、天国よりつかわされた町」としてその繁栄ぶりをたたえた。ラージプート、ムスリム、マラータ諸勢力の影響を受けた多くの建築物が残っている。なかでもマラータのシンディア家が再建したマハカラ大寺院はみごとである。18世紀にジャイプル藩王国のジャイ・シンが建てたといわれる天文台は、当時の科学、文化の水準の高さを示すものである。
[中山晴美]
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