日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミリバール」の意味・わかりやすい解説
ミリバール
みりばーる
millibar
気圧の単位。単位面積の表面に100万ダイン(dyn)の力が働くときの圧力を1バール(bar)で表す。ミリバール(記号mb)は1バールの1000分の1である。気象観測では、1949年(昭和24)までは気圧の単位として水銀柱の高さmm・Hgを用いていた。mbとmm・Hgとの関係は次のとおりである。
1mmHg=0.1×13.5951×980.665
=1.3332×103dyn/cm2
=1.3332mb≒4/3mb
1mb=0.750062mmHg
このなかで13.5951は0℃の水銀密度、また980.665は基準重力の値(cm/s2)である。近似値的には
1mmHg=4/3mb
を用いてよい。気圧は絶えず変化しているが、海面上の平均気圧はおよそ1013ミリバール(760mm・Hg)である。この値を基準として1気圧という単位を工学で用いることがある。大気中の水蒸気の分圧を水蒸気圧というが、水蒸気圧もミリバール単位で表す。
なお世界気象機関(WMO)では1979年に、気圧の単位をミリバールからヘクトパスカルに変更することを決定し、1984年から実施されている。日本でも1992年(平成4)1月よりヘクトパスカルが使用されるようになった。
[大田正次]