1992年に登録された世界遺産(文化遺産)。ウラジーミルは、ロシアの首都モスクワの北東にある、ウラジーミル州の州都。ヴォルガ川の支流クリャズマ川沿いにあるこの町は、ウラジーミル・スーズダリ公国の首都が置かれたことのある、ロシアの古都の一つである。1108年頃にキエフ大公ウラジーミル・モノマフにより要塞として建設されたのが町の起源とされ、13世紀には北東ロシアの中心地として栄えた。こうしたことから、ウラジーミルには、1158年建造のウスペンスキー聖堂(生神女就寝大聖堂)や、1194年から1197年にかけて建設されたドミトリエフスキー聖堂、1164年に建設された黄金の門(1795年再建)のほか、モスクワ大公イワン3世(イワン大帝)により寄進されたクニャーギニンスカヤ聖堂などの歴史的遺構が残されている。スーズダリはウラジーミルから35kmほどのところにある古都。ウラジーミル同様、14世紀末にモスクワ大公国の支配下に入るまで、ウラジーミル・スーズダリ公国をはじめとする諸公国の首都が置かれていた町で、ロシア正教の中心的な拠点でもあった。ロジュジェンストヴェンスキー聖堂やポクロフスキー修道院、クレムリン城塞など、白壁の美しい歴史的な建造物が多数残っている。◇英名はWhite Monuments of Vladimir and Suzdal