ロシア連邦西部,ウラジーミル州にある古都。ウラジーミルの北方35kmに位置する。人口1万2100(1993)。記録上の初見は1024年。12世紀前半,ユーリー・ドルゴルーキー公の治世にロストフ・スーズダリ公国の首都となる。一時ウラジーミル・スーズダリ公国に含まれるが,13世紀には独立したスーズダリ公国の,14世紀前半にはスーズダリ・ニジェゴロド公国の首都となった。14世紀末モスクワ大公国の支配下に入って以来政治的意味を失ったが,宗教的意味は保持し続け,主教座,16世紀から19世紀までは大主教座がおかれていた。現在,町は博物館都市として,古代ロシアを彷彿とさせる建築記念物を多数修復,保存している。1967年ソ連邦閣僚会議で,当市の巨大なツーリスト・センターの建設が決議され,いっそう博物館都市としての整備が進んだ。
執筆者:栗生沢 猛夫
スーズダリとその周辺における芸術活動は,まず11世紀後半の聖堂建設に始まる。しかし現存する遺構では,キデクシャ村のボリス・グレーブ聖堂(1152)が最も古い。1233年にはクレムリンの一角にロジェストベンスキー(キリスト降誕)大聖堂が創建された(16世紀に改修)。この重厚な切石積みの建築は,ウラジーミルの先例にならう外壁の浮彫装飾や,豪華な金色の象篏の図像で覆われた大扉などで知られる。堂内の壁画は17世紀に属するが,一聖人を描いた創建当時の壁画が残る。16,17世紀にスーズダリは,数と規模において宗教建築の最盛期を迎えた。この間に主要部分の完成をみた多くの壮大な建築集合体の代表例に,ポクロフスキー修道院(14~18世紀)やスパソ・エフフィミエーフスキー修道院(14~17世紀)がある。こうした歴史を反映する数々のイコンや装飾写本,ロシア工芸の粋を集めた聖具などは,歴史博物館に収められている。
執筆者:高橋 栄一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
モスクワの北東約200kmの地点にある町。年代記では1024年初見。11~12世紀北東ルーシの政治的中心として栄えた。12~13世紀にヴラジーミル市が勃興するや,この地方はヴラジーミル・スーズダリ公国と呼ばれ,14世紀にニジニ・ノヴゴロドに首都が移ると,スーズダリ・ニジェゴロド公国と呼ばれた。1392年ヴァシリー1世によってモスクワ大公国に併合された。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…中世ロシアの一公国で,キエフ・ロシアが細分状態に陥っていた時代にその北東に存在した。ロストフ,ついでスーズダリがその中心であったが,12世紀後半に都がウラジーミルに移され,ウラジーミル・スーズダリ公国と呼ばれ,キエフが没落していく中でウラジーミル大公国と称した。モスクワもこの公国の辺境に位置する町であった。…
※「スーズダリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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