日本大百科全書(ニッポニカ) 「エオヒップス」の意味・わかりやすい解説
エオヒップス
えおひっぷす
eohippus
[学] Hyracotherium
哺乳(ほにゅう)綱奇蹄(きてい)目ウマ科の化石動物。アケボノウマともいわれる。始新世(5400万~3700万年前)前期の北アメリカの森林にすんでいた。ウマの先祖と考えられ、奇蹄目やウマ科の進化を考えるうえで重要な存在となっている。大きさはキツネぐらいで、頭は長いが小さく、尾は長い。前肢に4本、後肢に3本の指があり、先には小さなひづめがあった。歯式は
で合計44本と、現生のウマ類(40~42本)より前臼歯(ぜんきゅうし)が多い。なお、この時期、イギリスはじめヨーロッパ各地には5本指のヒラコテリウムがすんでいた。学名は、命名規約の優先権により、エオヒップス(1876年命名)も、ヒラコテリウム(1840年命名)の名に統一されている。
[祖谷勝紀]