エコシステム(読み)えこしすてむ

デジタル大辞泉 「エコシステム」の意味・読み・例文・類語

エコシステム(ecosystem)

生態系
複数企業によって構築された、製品サービスを取り巻く共通収益環境。具体的には、ある特定のスマートホン中心に、アプリケーションソフト電子マネー、イヤホンや充電器などの関連製品が、つながりをもつ全企業に収益をもたらす環境を構築している例などが挙げられる。

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精選版 日本国語大辞典 「エコシステム」の意味・読み・例文・類語

エコシステム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] ecosystem ) 生態系。ある地域にすむ生物、およびその無機的環境をまとめていう。

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知恵蔵 「エコシステム」の解説

エコシステム

経営・IT分野の新語。複数の企業が商品開発や事業活動などでパートナーシップを組み、互いの技術や資本を生かしながら、開発業者・代理店・販売店・宣伝媒体、さらには消費者や社会を巻き込み、業界の枠や国境を超えて広く共存共栄していく仕組み。本来は、生物とその環境の構成要素を1つのシステムとしてとらえる「生態系」を意味する科学用語。
経済界のエコシステムでは、系列の違う複数の企業、時にはライバル関係にある企業が互恵関係を結ぶこともあり、この点で、生産・物流・販売など特定の活動で連携するアライアンスや、1つの商品を共同開発・共同製造するコラボレーションなどとは異なる。ただし、清涼飲料の日本コカ・コーラと紳士服のAOKIが新卒社会人を対象に展開した「GEORGIA×AOKIコラボキャンペーン」(2010年春)の「エコシステム・マーケティング」などのように、短期的あるいは限定的なシーンで用いられることもある。
IT分野では早くから、マイクロソフトのWindowsなど基本のOSを軸に、デベロッパーベンダーサードパーティー、ユーザーが有機的に結びつき、共に成長していくエコシステムの収益モデルが提唱され、実際に成果を上げてきた。さらに最近は、高速通信網の拡充、無料OS・LinuxやGoogleの各種フリーサービスの普及などを背景に、これまでのOSを頂点とする垂直的な関係から、ベンチャーや一般ユーザーも含めた水平的な協力関係を重視する方向へとシフトしつつある。自然界の「生態系」が異質な構成要素によって良好な環境を維持させているように、多様な構成員の相互協力および平等な収益の循環が、エコシステムを健全に機能させる条件と見られる。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2010年)


エコシステム

生態系」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディア 「エコシステム」の意味・わかりやすい解説

エコシステム

生態系

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栄養・生化学辞典 「エコシステム」の解説

エコシステム

 生態系という訳語に近い.環境と生物の生息状態の総体.

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世界大百科事典(旧版)内のエコシステムの言及

【生態系】より

…このクレメンツらの考え方は生態遷移の〈単極相説〉と呼ばれているが,タンズリーをはじめとするヨーロッパの研究者たちは幾多の事実を挙げ反論した。タンズリーは植物群落が気候,土壌,草食動物などの要因により異なった極相に達するとし〈多極相説〉を主張し,クレメンツらのバイオームと非生物的環境との作り上げる系を〈生態系(エコシステム)〉と呼ぶことを提案した。 生態系の概念が確立したのは,42年のリンデマンR.L.Lindemanの研究によってであった。…

※「エコシステム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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