電界あるいは電流を加えると色吸収帯を生じ、その箇所だけ可逆的に色が変わる物質。1973年、シュートC. J. Shootらによって大型表示装置への利用の可能性が示されて、各国で開発が進められている。
エレクトロクロミックには無機物質と有機物質がある。無機物質ではアルカリハライドが古くから知られているが、これは温度を70℃以上加熱する必要がある。遷移金属をベースとした酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化チタンなどは常温で動作する。酸化タングステンの場合は電界を加えると電気化学的な可逆反応によって無色から青色のタングステンブロンズを形成する。実用化されているのは、この酸化タングステンを透明ガラス基板上に蒸着し、対向電極間に電解液と表示のコントラストを増すためのアルミナとか酸化チタン粉末を加えている。
一方、有機物質では古くから還元指示薬が知られてはいるが、長期の表示には耐えなかった。しかし、フェナントロリン鉄錯体の酸化(無色)還元(赤色)状態が電位でコントロールできることから赤色のクロミックの薄膜材料が発見されている。
エレクトロクロミックは紙に印刷されたような鮮明な色で表示ができ、視覚による方向性がなく、数ボルトで駆動できるが、応答時間は化学反応を利用しているためにいくぶん遅い。このためディスプレーよりも、表示装置のほかに、調光ガラス、調光眼鏡、自動車の防眩ミラー、漏電検知器などに実用化されている。
[岩田倫典]
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