エレファンタ石窟(読み)エレファンタせっくつ(英語表記)Elephanta Caves

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エレファンタ石窟」の意味・わかりやすい解説

エレファンタ石窟
エレファンタせっくつ
Elephanta Caves

インド西部,ムンバイ (ボンベイ) 湾内のエレファンタ島にあるヒンドゥー教石窟群。未完成のものを含めて全部で8窟から成るが,規模,内容とも注目に値するのは第1窟で,建造年代は8世紀前半と推定される。初めは東を正面とし,広間の西奥にリンガ (陽石。→リンガ崇拝 ) を祀る方形祠堂をおいていたが,のち祠堂の西側にも入口をつけ,また広間の北側に新たな正面入口を設け,南奥にシバ神像を祀って全体のプランを十字形に変えた。石窟内には 26基の柱があったが,現存するのは 18基。南奥壁のシバ神胸像は高さ約 5.4mに及ぶ。石窟内にはこのほかシバ神に関係する群像浮彫が8面ある。いずれも丸彫に近い表現で堂々たる量感をもち,中世初期ヒンドゥー教彫刻の傑作といえる。 1987年世界遺産の文化遺産に登録

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百科事典マイペディア 「エレファンタ石窟」の意味・わかりやすい解説

エレファンタ石窟【エレファンタせっくつ】

インド,ボンベイ湾内のエレファンタElephanta島にあるヒンドゥー教石窟寺院。7窟のうち,約40m四方大広間をもつ窟が有名。シバ神をまつる寺院で,奥室中央の3面のシバ神像ほか巨像彫刻が多く,7―8世紀のヒンドゥー教美術を知るうえで貴重なもの。1987年世界文化遺産に登録。

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世界大百科事典(旧版)内のエレファンタ石窟の言及

【インド美術】より

…それらは,バーカータカ,チャールキヤ,パッラバ各王朝の作風を継承し,質量ともにヒンドゥー教彫刻の頂点に立つ。エレファンタ石窟には,544cmの三面シバ胸像など森厳にして圧倒的な迫力をそなえた浮彫群がある。これ以後のヒンドゥー教彫刻は,寺院の外壁にひしめき合うように多数刻まれ,外観を複雑華麗にしているものの,個々の彫像は形式化する。…

※「エレファンタ石窟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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