エンジンテレグラフ(その他表記)engine telegraph

改訂新版 世界大百科事典 「エンジンテレグラフ」の意味・わかりやすい解説

エンジンテレグラフ
engine telegraph

船の操船者と機関室との間で機関の運転に関する指令を連絡するのに用いられる装置。ふつう,船橋ブリッジ)にいる操船者が,目盛盤につけられた〈前進後進〉〈全速,半速,低速,微速,停止〉などの指示の位置にハンドルを置くことによって,機関室にこれと同じ指令用語が伝わるようになっている。従来は伝達機構に鎖やロッドを使用した純機械式であったが,現在はサーボ機構などを用いた電気式である。また従来は船橋から機関室への連絡用のみに用いられていたが,最近の船では船橋から直接,機関を遠隔で操縦できるようになっており,エンジンテレグラフはこのための操縦装置を兼ねている。このほか,エンジンテレグラフを使用した記録を自動的に用紙にタイプして打ち出せるようにしたものもあり,これをテレグラフロガーと呼んでいる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「エンジンテレグラフ」の意味・わかりやすい解説

エンジンテレグラフ

操船者が機関室に運転指令を連絡するために用いられる装置。操船者は船橋(せんきょう)(ブリッジともいう)から機関室に前進,後進,全速,半速,低速,微速,停止などの機関の使用を指令し,機関室より確認応答を直接連絡する。通常扇形の文字板を放射状に区画して指令を記し,発信用の取手所要の位置に動かすと号鈴が鳴り,受信機も同一の指示と確認応答をする。現在では船橋から直接機関を制御する方式が採用されている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android