日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオウラギンヒョウモン」の意味・わかりやすい解説
オオウラギンヒョウモン
おおうらぎんひょうもん / 大裏銀豹紋蝶
[学] Fabriciana nerippe
昆虫綱鱗翅(りんし)目タテハチョウ科に属するチョウ。アジア東部特産のヒョウモンチョウの1種で、日本では本州、四国、九州の平地から山地の草原に産し、第二次世界大戦前はとくにまれな種ではなかったが、戦後は多くの産地で絶滅し、日本産大形ヒョウモンのなかではもっとも少ない種となった。外国では朝鮮半島、中国に分布する。近縁の普通種ウラギンヒョウモンに似ているが、後ろばね裏面外縁の銀紋の形が2山形であること、雄の前ばねの黒色発香鱗条が1本であることによって区別できる。はねの開張70~80ミリメートル程度。年1回発生し、暖地では5月下旬ごろから、寒冷地では7月中旬ごろから発生、草地の草花にくるものが多い。幼虫の食草はスミレ類、1齢幼虫で越冬する。
[白水 隆]