オオヒメグモ(その他表記)Achaearanea tepidariorum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オオヒメグモ」の意味・わかりやすい解説

オオヒメグモ
Achaearanea tepidariorum

クモ綱クモヒメグモ科。雌の体長5~8mm,雄は3~6mm。腹部球形頭胸部に比べて大きく,色彩には灰白色から赤褐色まで変異がある。人家や畜舎の内外に最も普通にみられ,縁の下便所の隅などに,不規則に糸を張りめぐらした網をつくる。網の一部の糸には地上との付着点から 1cmほどの間に粘球がついていて,それに触れた虫は宙づりにされてしまう。成体一年中みられる。夏期に産卵し,直径6~7mmの淡褐色卵嚢を数個網につるす。卵嚢には約 300個の卵が包まれている。世界中に分布する。 (→クモ類 )

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオヒメグモ」の意味・わかりやすい解説

オオヒメグモ
おおひめぐも / 大姫蜘蛛
house spider
[学] Achaearanea tepidariorum

節足動物門クモ形綱真正クモ目ヒメグモ科に属するクモ。ヒメグモとはもともと小さいクモの意味であるが、そのなかでは大きいのでこの名がある。体長8ミリメートルで球状の腹部には、黒、褐、黄、白の複雑な斑紋(はんもん)がある。世界に広く分布し、日本でもごく普通にみられるクモで、屋内山路の崖(がけ)のくぼみ、洞穴などにすむ。新築家屋にはよく入り込む。不規則な籠網(かごあみ)をつくり、下に伸びる数本の糸の先には、とりもち状の粘着物があり、下をはってきた虫がこの糸にかかると、何本かの糸をかけて釣り上げて食べる。

[八木沼健夫]


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