おっ込(読み)おっこむ

精選版 日本国語大辞典 「おっ込」の意味・読み・例文・類語

おっ‐こ・む【おっ込】

[1] 〘他マ四〙 (「追い込む」の変化か「押し込む」の変化か不明)
① 中へ入れこむ。とじこめる。取りかこむ。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)四「昔の高祖の法なんどを思出てをもをっこまれたぞ」
② おいこむ。おいつめる。
仮名草子伊曾保物語(1639頃)下「いばらの中へおっこうで、手足をかやうにそこなふ事、なにのたはぶれぞや」
③ せめこむ。うちこむ。
※幸若・三木(室町末‐近世初)「其外の兵共、城の内迄をっこみ」
[2] 〘他マ下二〙 ⇒おっこめる
[補注]「追いこむ」か「押しこむ」かは問題であるが、いずれも確証はない。語義の上でも、いずれにも解釈できる場合が多い。おそらく、両方からの形があり、近世、意味の区別が失われるようになったものであろう。

おっ‐こ・める【おっ込】

〘他マ下一〙 おっこ・む 〘他マ下二〙 (「追い込める」の変化か「押し込める」の変化か不明)
罪人などを家に閉じこめる。追い籠める。押し籠める。
平家(13C前)三「太政大臣已下(いげ)の公卿殿上人、四十三人が官職をとどめて、追籠らる」
② おいつめる。やりこめる。
※玉塵抄(1563)四三「及第して帰てかるしめた者をおっこめたぞ」
ひとつにまとめる。集約する。
※大学垂加先生講義(1679)「上に段々心之為物と云よりの意をおっこめて反覆して云」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android