日本大百科全書(ニッポニカ) 「オックスフォード条項」の意味・わかりやすい解説
オックスフォード条項
おっくすふぉーどじょうこう
Provisions of Oxford
イングランド王ヘンリー3世が、1258年国政の改革を要求する諸侯に強要され、同意した協約。これにより、王権は常置の十五人委員会に委任され、王の名において貴族が国を統治することになった。貴族が連帯して王権を制限し、行政に介入したのはこれが最初である。しかし、王は、ローマ教皇の支持を背景に、1264年フランス王ルイ9世の好意的な裁定によってこの協約から免れようとしたので、貴族との間に武力衝突が起こった。この「諸侯(バロン)戦争」Baron's Warで国王軍を破った貴族側の指導者シモン・ド・モンフォールは、この条項を王に再確認させて一時的に国政を掌握したが、1265年シモンの敗死により、新体制は崩壊した。
[松垣 裕]
『城戸毅著『マグナ・カルタの世紀』(1980・東京大学出版会)』