バロン(その他表記)Barong

デジタル大辞泉 「バロン」の意味・読み・例文・類語

バロン(baron)

男爵。→バロネス

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「バロン」の意味・読み・例文・類語

バロン

  1. 〘 名詞 〙 ( [オランダ語・英語] baron ) 爵位で最下級のもの。男爵。
    1. [初出の実例]「上庁には〈略〉抜龍〈バロン 世族とす〉を署す」(出典:輿地誌略(1826)五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「バロン」の意味・わかりやすい解説

バロン
Barong

バリ島の人々によって信奉されている想像上の聖獣。多くの場合,全身に輝く鏡の小片をつけた獅子の形で表される。あらゆる災害を防ぎ邪悪な力を追い払う力をもつと信じられており,常時は村の寺の一隅に収められて日々供物と祈りをささげられている。210日に1度,2人の選ばれた男がバロンの張りぼての中に入り,人々に付き添われて村中を練り歩き,寺の境内でガムランの伴奏にのって踊り狂う。人々の中には忘我の状態になり,剣を体にさしたり鶏を生きたまま食べたりする者も出るが,最後にバロンに触れて正気に戻る。このような宗教儀礼が,近年では舞踊劇に仕立てられ芸能化しているものもある。
執筆者:



バロン
Baron
生没年:1653-1729

フランス俳優劇作家本名Michel Boiyon。12歳で初舞台。1670年モリエール一座に加盟。一度退座するが帰参。モリエール没後他劇団に移り,80年コメディ・フランセーズ創立に加わる。91年に引退するが1722年以降復帰。天性の容姿と美声に恵まれ,師モリエールの自然な演技を受け継ぎ,悲劇喜劇ともに秀で,当代の名優とうたわれた。当り役に《フェードル》のイポリットなど。劇作品に風俗喜劇《色男》ほか10編がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「バロン」の意味・わかりやすい解説

バロン

ヨーロッパの爵位。ふつう男爵と訳す。初め,中世の英国やフランスで,国王から直接に領地を受け,枢機(すうき)に参ずる貴族がバロンと呼ばれていたが,英国では次第に上級貴族の最下位の称号となり,今日に至った。
→関連項目爵位バイカウントバロネットロード

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バロン」の意味・わかりやすい解説

バロン
Baron, Michel

[生]1653.10.8? パリ
[没]1729.12.22. パリ
フランスの俳優。本名 Boyron。両親ともブルゴーニュ座の俳優で,早くから「公太子の劇団」に属したが,モリエールに引取られて教えを受け,1670年以後大役を演じた。 73年ブルゴーニュ座に移ってコメディー・フランセーズの設立に参加,以後,悲劇,喜劇に主役を演じ,ラシーヌにも高く評価された。 91年一度引退したが,1720年舞台に戻り,再び人気を集めた。みずから『幸運な男』L'Homme à bonnes fortunes (1686) ほか7編の戯曲を書いた。

バロン
ballon

バレエ用語。「気球」という本来の意味から転じて,跳躍などの技法において,軽快でしなやかな弾力性のあることをいう。とんでいる間,美しいポーズで空中にとどまり,そしてまたとぶように音もなく軽やかに床に降りてくること。こうしたゴムまりが弾むような軽やかな跳躍技を行うことのできる踊り手を,男女を問わず「バロンがある」と評価する。

バロン
Baron, Alexander

[生]1917.12.4.
イギリスの小説家。第2次世界大戦を題材とした戦争小説で知られ,特に『都会から,田舎から』 From the City,From the Plough (1948) が有名。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

367日誕生日大事典 「バロン」の解説

バロン

生年月日:1653年10月8日?
フランスの俳優
1729年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のバロンの言及

【爵位】より


[ヨーロッパ]
 古代ローマの貴族には,位階序列を表す称号はなく,ヨーロッパの爵位は,中世・近世においてその発達をみることができる。国と時代により差異はあるが,一般に知られている爵位は,公(デュークduke),侯(マーキスmarquis),伯(アールearl),子(バイカウントviscount),男(バロンbaron)の5位階である(かっこ内は英語)。これらのうち,公と伯の呼称が歴史的に見て最も古く,それぞれ古ゲルマンの軍事統率者であるドゥクスdux(ドイツ語はヘルツォーク,フランス語はデュクduc),フランク国王の統治権とりわけ裁判権を地方管区ごとに執行する役人としてのコメスcomes(ドイツ語はグラーフ,フランス語はコントcomte)とにさかのぼる。…

【バレエ】より

…現代ではイギリスのM.フォンテインがこの称号を得ている。バロンballon跳躍技において,なんらの努力感なしに跳び上がり,空中に停止するかのように見え,再び柔軟に床に下り立つことのできる踊り手の資質をいう。ピルエットpirouetteクラシック・ダンスの回転技のうち,最も種類が多く,きわめて普通に行われるもの。…

【バロン・タガログ】より

…フィリピンで男性が正装として用いる上着。バロン・ピリピノまたは略してバロンとも呼ばれる。パイナップルの繊維を材料とした長袖シャツで,両サイドにスリットが入り,前面に刺繡が施されている。…

※「バロン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android