日本大百科全書(ニッポニカ) 「オッシュ」の意味・わかりやすい解説
オッシュ
おっしゅ
Louis Lazare Hoche
(1768―1797)
フランス革命期の将軍。ベルサイユ近郊のモントルェイユで生まれる。父は王の猟犬係。2歳にして母を失う。14歳で王室馬丁となり、刻苦勉励して、16歳で近衛(このえ)軍に入隊。革命開幕期には伍長(ごちょう)だったが、国民衛兵の士官に登用され、人民の解放情熱と共和主義に共鳴する。1793年春に公安委員会に提出した戦争計画を、公安委員会の委員で軍事担当のカルノーに称賛され、一躍北方軍副司令に任ぜられる。ダンケルクでイギリス軍を破り、モーゼル方面軍司令官に栄進。装備も規律も不良な配下の軍を独力で再建し、アルザス国境でオーストリア・プロイセン軍を撃破した。しかし、94年6月に反革命派の容疑を受け、投獄の憂き目にあう。テルミドール(熱月)政変後釈放され、フランス西部の王党派反乱(バンデーの反乱)の討伐にあたる。97年ライン川を越えてオーストリア軍を攻撃中に、ウェツラーで病死した。
[金澤 誠]