日本大百科全書(ニッポニカ) 「オブラドビッチ」の意味・わかりやすい解説 オブラドビッチおぶらどびっちDositej Obradović(1739/1742?―1811) セルビアの啓蒙(けいもう)思想家。初代文部大臣。民衆的な口語を用いて作品を書いた最初の作家で、セルビア近代文学の創始者。聖者伝文学にあこがれ、若くして修道僧となるが、やがて新知識を渇望して還俗(げんぞく)、ヨーロッパ諸国を遍歴しながら独学で教養を磨いた。18世紀イギリス文学の影響を受け、自伝『人生と冒険』(1783~88)、『寓話(ぐうわ)』(1788)で独自の文体を築いた。[栗原成郎] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例