日本大百科全書(ニッポニカ) 「オンス」の意味・わかりやすい解説
オンス
おんす
ounce
ヤード・ポンド法の質量の単位、および液体の体積の単位。記号はozで表す。オンスは12分の1を意味するラテン語のunciaに由来する。
[小泉袈裟勝]
質量のオンス
貴金属用のトロイオンスtroy ounceと、常用オンスavoirdupois ounceとがある。トロイオンスはトロイポンド(約373.24グラム)の12分の1で、31.1035グラムにあたる。常用オンスは常用ポンド(0.45359237キログラム)の16分の1で、約28.35グラムである。トロイポンドは5760グレーンとして、16世紀エリザベス1世のとき法令として制定され、貴金属と薬品専用とされた。別に7000グレーンの常用ポンドがあり、これが一般に使われており、1855年に制定されたため、トロイポンドは廃止され、トロイオンスは補助単位となった。しかし、アメリカでは現在も用いられ、また国際的にも金の取引に広く用いられている。トロイオンスの名は中世フランスの市場都市トロアTroyesに由来するという。
[小泉袈裟勝]
液体用のオンス
質量のオンスとまぎらわしいときは液量オンスfluid ounceという。ガロンの分量の単位で、イギリスとアメリカでは大きさが異なる。イギリスの場合は5分の1ギルで、28.4134ミリリットル。アメリカの場合は4分の1ギルで、29.5735ミリリットルである。
[小泉袈裟勝]