おん曹司(読み)おんぞうし

精選版 日本国語大辞典 「おん曹司」の意味・読み・例文・類語

おん‐ぞうし‥ザウシ【御曹司・御曹子】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「おん」は接頭語。「曹司」は部屋の意 )
  2. 公家や上流武家など貴人の、まだ独立していない子息を敬っていう語。
    1. [初出の実例]「屋形・御曹司両所、各馬・太刀・榼五荷・折三合」(出典:大乗院寺社雑事記‐文明一二年(1480)七月二二日)
    2. 「四番めの御子、宰相殿御曹子(ザウシ)と申すは」(出典:御伽草子・鉢かづき(室町末))
  3. 特に、源氏嫡流の部屋住みの子息。平家公達(きんだち)に対していい、多く源義経をさす。
    1. [初出の実例]「九郎御曹司『〈略〉』との給へば」(出典:平家物語(13C前)八)
  4. 名門の家の子息。
    1. [初出の実例]「やまの見えて来たことは、この御曹子(オンゾウシ)にとっても〈略〉『欣喜雀躍』すべきことに」(出典:真理の春(1930)〈細田民樹手形手品師)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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