20世紀西洋人名事典 の解説
オーシプ マンデリシュターム
Osip Emil’evich Mandel’shtam
1891 - 1938
ソ連(ロシア)の詩人。
ワルシャワ生まれ。
ユダヤ系の実業家の家に生まれる。ハイデンベルク大学とペテルブルグ大学で哲学と文学を専攻。10代の終わりには革命運動に参加したが、その後ひたすら詩作にうちこみ、ボードレールとベルレーヌに傾倒した。1913年に処女詩集「石」を発表。これはきわめて繊細で芸術的な香気にあふれ、フランスの象徴主義の影響がみられる。’23年第二詩集「石」で詩人としての地位を確立。’38年極端に非政治的であるとして逮捕され獄中死。「雪どけ」後名誉を回復され、詩に対する詩人の立場を明らかにしている優れたエッセー「ダンテについての会話」(’35年)等が発表された。’70年米国でナジェージダ未亡人による「回想」が刊行された。他の作品に散文「時のざわめき」(’25年)、「エジプトのスタンプ」(’28年)等がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報