改訂新版 世界大百科事典 「オールディントン」の意味・わかりやすい解説
オールディントン
Richard Aldington
生没年:1892-1962
イギリスの詩人,小説家。ハンプシャー生れ。ロンドン大学中退。15歳のころから詩を書きはじめ,1913年雑誌《エゴイスト》の編集者となり,同年アメリカの女流詩人H.D.と結婚(1937離婚),詩集《イメージズ》(1915)を出版,イマジズム運動の主要人物となる。第1次大戦に一兵卒として参加し,その後戦争神経症にかかりながら《戦争と恋》(1918),《欲望のイメージ》(1919),《追放者その他》(1923)を出した。これらはその後いくつかの詩集とともに49年の《全詩集》にまとめられている。この他小説としては大戦の経験を基にし,肉体的とまでいえる激しい憎悪をこめて書いた《英雄の死》(1929),《大佐の娘》(1931),1900年から27年に至るある青年の生い立ちとオーストリア女の恋愛を描いた四部作《すべて人間は敵》(1933)がある。第2次大戦後は《ウェリントン》(1946),《アラビアのロレンス》(1955)などの伝記が多く,その中でも《D.H.ロレンス》(1950)が有名である。
執筆者:鈴木 建三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報