カシミール効果(読み)カシミールコウカ

デジタル大辞泉 「カシミール効果」の意味・読み・例文・類語

カシミール‐こうか〔‐カウクワ〕【カシミール効果】

真空中で、ごくわずかな距離で隔てられた二枚の平面金属板に、互いに引き合う力が発生する現象。1948年、オランダの物理学者H=カシミール提唱。10ナノメートルという、きわめて近距離において、はじめて顕在化する微弱な力であり、1997年に初めて実験的に確かめられた。場の量子論によれば、金属板の間真空のエネルギー期待値が変化することよって引力が生まれると解釈される。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

法則の辞典 「カシミール効果」の解説

カシミール効果【Casimir effect】

真空中で,2枚の金属板をきわめて微小な間隔だけ離しておいたとき,この板の間に力が働く現象.これは場に境界条件を与えることで真空のエネルギー期待値が変化することによる.最初は原理的に観測不可能と考えられていたが,1997年に実際に観測された.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android