カステリヨン(読み)かすてりよん(英語表記)Sébastien Castellion

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カステリヨン」の意味・わかりやすい解説

カステリヨン
かすてりよん
Sébastien Castellion
(1515―1563)

フランスの神学者ジュネーブに亡命し古典語・聖書の教育に従事したが、聖書解釈についてカルバン対立バーゼルに移って苦しく孤独な生を送る。斬新(ざんしん)平易な聖書仏訳のほか、カルバン派不寛容を批判して世俗権力による異端処刑を否定した『異端者について』(1554)、宗教戦争否認し個人の信仰良心の不可侵性を説いた『悩めるフランスに勧めること』(1562)によって、寛容・平和思想先駆となった。

二宮 敬 2017年11月17日]

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