カニムシモドキ(読み)かにむしもどき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カニムシモドキ」の意味・わかりやすい解説

カニムシモドキ
かにむしもどき / 蟹虫擬
[学] Charon grayi

節足動物門クモ形綱無鞭(むべん)目カニムシモドキ科Charontidaeの陸生動物。この科には8属25種が知られ、多湿な東アジア南部と太平洋諸島に分布し、体は小さく、おもに洞穴性。カニムシモドキでは雌30ミリメートル、雄27ミリメートル。体は平たく、前体背面は平滑卵形の背甲となり、目はその前縁近くに1対と、背甲左右に3個ずつの計8個ある。後体は12節。触手は強大で内側に刺状突起を多数もっている。光を嫌い歩行はすばしこい。長い第1脚を触角のように振りながら、第2脚から第4脚で歩く。捕食性でゴキブリコオロギなどを触手でつかまえて食べる。第2脚から第4脚の跗節(ふせつ)に肉盤があるので、洞穴の天井なども歩行することができる。

[森川国康]

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