カビテ(英語表記)Cavite

デジタル大辞泉 「カビテ」の意味・読み・例文・類語

カビテ(Cavite)

フィリピンルソン島中西部の都市カビテ州州都マニラ湾南岸に突き出た砂嘴さし半島に位置する港湾都市であり、スペインおよび米国統治時代に軍港が置かれた。19世紀末のフィリピン独立運動中心地

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「カビテ」の意味・わかりやすい解説

カビテ
Cavite

フィリピン,マニラ南郊の基地の町。人口10万3000(1994)。マニラ湾の南東岸から北に向かって突出した幅1km,長さ8kmの砂州でできた半島上に位置する。スペイン統治下でサン・フェリペ要塞が築かれ,アメリカ時代には半島先端のサングレー岬に海軍基地が置かれた。こうした植民地支配の最前線にあったため,1872年には要塞内の兵器厰労働者暴動の発生地に,フィリピン革命時にはカウィット,イムスなど近隣の町と共に交戦中心地に,太平洋戦争時には日本軍の猛攻撃の的となった。アジア最大と言われたこの米海軍基地も1970年に返還され,ここにようやく自国の基地となった。1940年に特別市に指定され,60年代までカビテ州の州都でもあった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カビテ」の意味・わかりやすい解説

カビテ
かびて
Cavite

フィリピン北部、ルソン島中西部にあるマニラ湾南岸の港湾都市。カビテ州の州都。植民地期にはスペインおよびアメリカの軍港として知られた。住民はタガログ人で人口9万9367(2000)。水田、ココナッツ林、養魚池に囲まれるが、近年工場が増え、マニラの近郊住宅地になりつつある。スペイン領時代、州内にカトリック教団所有地が多かったためもあって、19世紀の独立運動の中心地になった。

高橋 彰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カビテ」の意味・わかりやすい解説

カビテ
Cavite

フィリピン,ルソン島中部,マニラ湾南岸の小半島上にある市。カビテ州に属する。スペイン領時代に海軍基地と兵器廠がおかれた。 1896~1901年にスペイン,次いでアメリカと戦われた独立戦争の中心地で,指導者 E.アギナルド出身地。アメリカ,フィリピン両国海軍のサングレーポイント基地がおかれている。運輸機器が生産され,マニラの近郊住宅地の性格も強い。人口9万 2000 (1990推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「カビテ」の意味・わかりやすい解説

カビテ

フィリピン,ルソン島中央部の都市。マニラ湾に臨む岬の先端に位置する。1571年スペインの占領以来,海軍基地として重視され,第2次大戦後は米海軍基地となったが,1970年返還。付近はマニラの近郊地域として発展。約10万人(2000)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android