カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症(読み)かぷのさいとふぁーがかにもるさすかんせんしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症
かぷのさいとふぁーがかにもるさすかんせんしょう

人獣共通感染症人畜共通感染症)の一つ。日本での報告例はまだ少ないが、中高年に多く発症する。カプノサイトファーガ・カニモルサスCapnocytophaga canimorsusという細菌病原菌である。イヌやネコにかまれたりひっかかれたりして創傷感染することが多く、数日の潜伏期間をおいて発症する。創傷部の発赤や発熱倦怠(けんたい)感、腹痛吐き気頭痛、意識障害などの症状を伴う。日和見(ひよりみ)感染の傾向がみられ、とくに糖尿病や肝障害、自己免疫疾患、悪性腫瘍(しゅよう)などの基礎疾患をもつ人や高齢者など、免疫力の低下している場合に重症となりやすい。重症例では敗血症髄膜炎を併発し、ときに死に至ることもある。治療はペニシリン系やテトラサイクリン系の抗生物質投与などが有効な場合が多い。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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