日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルセオラ」の意味・わかりやすい解説
カルセオラ
かるせおら
[学] Calceola
四放サンゴ亜綱ゴニオフィルム科の一属。群体をなさず単体で生活する。サンゴ体は、先のとがったスリッパの前半部を倒立させたような形で、側面の一方は平ら、一方は湾曲しており、断面はほぼ半円形をなす。この形からスリッパサンゴともよばれる。上部に半円形の蓋(ふた)をもつことが特徴である。サンゴ体は一般に5センチメートル以下。古生代デボン紀前期から中期にかけて生息し、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オーストラリアなど、アメリカを除く全世界から産出している。日本では、岐阜県高山市奥飛騨温泉郷福地(おくひだおんせんごうふくぢ)と北上山地のデボン系の地層からサンゴ体や蓋が発見されているが、その数は少ない。
[藤山家徳]