日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルヒー」の意味・わかりやすい解説
カルヒー
かるひー
Abū Baka ibn Muammad ibn al Husayn al-Karkhī
(?―1019/1029)
バグダードで活躍したイスラム最大の数学者の一人。算数は古代ギリシアとヘレニズム時代の知識に基づき、代数はヘレニズム時代のディオファントスDiophantusによるところが大きかった。彼には独創的な色彩があるが、なかでも大きな特色は、インド数字(アラビア数字)を計画的に無視し、数字はいっさい使わずにすべて数詞で書いている。まるで、インド数字は卑俗なものとみなしていたようである。二次方程式の解法では、2根が正であってゼロでなければ、その2根を認めた。
[平田 寛]
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