算数(読み)さんすう

精選版 日本国語大辞典 「算数」の意味・読み・例文・類語

さん‐すう【算数】

〘名〙
① (━する) かぞえること。計算すること。勘定。算用。さんじゅ。さんす。
※桂川地蔵記(1416頃)上「総京桂間之桟敷、并歩行見物衆無量無辺、不可思議算数、譬喩所及也」
※和俗童子訓(1710)一「ものかき、算数(サンスウ)を習はしむべし」 〔漢書‐律歴志〕
② 算学。計算術
塵劫記‐下・跋(1634)「算数(さんすう)の代に置けるや、誠に得難く捨て難きは此道なり」
※随筆・文会雑記(1782)三「春台は甚算数の理を窮られたり。中華より来れる書に算学統宗、算学啓蒙よりよきはなし」 〔北史‐刁沖伝〕
③ 計算した結果の数値。
福翁百話(1897)〈福沢諭吉〉六二「今後幾歳月を経て或る冀望の点に達す可きやの算数(サンスウ)を得ること難からず」
小学校教科の一つ。昭和一六年(一九四一)に、それまでの「算術」から改められた。〔学校教育法施行規則(1947)〕

さん‐す【算数】

〘名〙 (「す」は「数」の漢音)
① かぞえること。計算すること。さんすう。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
② 特に、寺院計数にあたる俗役
大乗院寺社雑事記‐応仁元年(1467)四月一四日「早旦自南政所節供。使算数一人」

さん‐じゅ【算数】

〘名〙 (「しゅ」は「数」の呉音) 数をかぞえること。物の数量をかぞえること。計算。さんすう。
※極楽国彌陀和讚(983頃)「生れ生るる人はみな 菩提不退の菩薩衆は 一生補処の其中に 算数も算へ知りがたし」 〔阿彌陀経

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デジタル大辞泉 「算数」の意味・読み・例文・類語

さん‐すう【算数】

数をかぞえること。計算すること。また、その結果得られた数。
「或る冀望の点に達す可きやの―を得ること難からず」〈福沢福翁百話
小学校の教科の一。初歩の数学。数量や図形について基礎的知識を教えることを目標とする。昭和16年(1941)それまでの算術を改めたもの。
[類語]数学代数幾何解析算術

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「算数」の意味・わかりやすい解説

算数
さんすう
arithmetic

正の整数小数分数および量の計算を中心に,数量に関する日常の具体的な計算や知識を取り扱う数学の初歩的段階。日本の小学校における教科の一つでもある。arithmeticということばは,学問的には,整数の理論を意味する。
小学校の教科としての算数は,「数と計算」「図形」「測定」「変化と関係」「データの活用」の五つの領域に大別される。数と計算の領域は,数の表し方や四則などを扱う。図形は,多角形といった平面図形の性質や面積,あるいは立体図形の性質や体積などに主眼が置かれる。測定は,小学校 1~3年生を対象に時刻の読み方や,長さと重さの測定方法を扱い,変化と関係は,小学校 4~6年生を対象に割合,比例反比例などを扱う。データの活用は,図表やグラフの読み取りおよびデータの考察が主である。どの領域も,日常の具体的事象から算数の問題を見出して,結果を確かめたり課題を解決したりする学習活動が想定されている。

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普及版 字通 「算数」の読み・字形・画数・意味

【算数】さんすう

計算の法。〔漢書、律暦志上〕數なるは、一十百千なり。事物を算數し、性命の理に順(したが)ふ以なり。書に曰く、其の算命を先にすと。

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百科事典マイペディア 「算数」の意味・わかりやすい解説

算数【さんすう】

小学校における数学教育の教科名。もと算術といったが,第2次大戦後,代数学幾何学の初歩を含めるようになって現名に改称。

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