日本大百科全書(ニッポニカ) 「カールスタード協定」の意味・わかりやすい解説
カールスタード協定
かーるすたーどきょうてい
Karlstads Konventionen ドイツ語
1905年、ノルウェーのスウェーデンからの分離独立に際し、両国間に結ばれた協定。1814年以来スウェーデンと同君連合の関係にあったノルウェーは、19世紀末以来、外交権を求めてスウェーデンとしばしば争い、1905年6月、ノルウェー議会は一方的に分離独立を宣言した。スウェーデンではこれに対し、実力による独立阻止を求める声も生じたが、結局、議会は平和的に解決することを決めた。8月末からスウェーデンのカールスタードにおいて両国間の交渉が行われ、9月23日に妥結し、協定が締結された。協定の内容は、独立国としての相互承認、国境に沿う中立地帯の設定、両国にまたがって生活するサーミ人の共同保護、双方の通過貿易の利権の保証、水資源開発の際の相互の権利尊重などであった。10月、この協定は両国で批准され、ノルウェーの独立は平和的に達成された。
[本間晴樹]