日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガダメス」の意味・わかりやすい解説
ガダメス
がだめす
Gadàmes
北アフリカ、リビア西部のオアシス町。アルジェリア、チュニジアとの国境近くに位置する。人口1万5300(2002推計)。盆地の中の谷底に立地し豊かな湧水(ゆうすい)に恵まれ、古くからトリポリとスーダン地方を結ぶキャラバン・ルート(隊商路)の要所であった。ローマ帝国支配時代(1~3世紀)にはガラマンテス人制圧のため軍事要塞(ようさい)が設けられ、キリスト教徒の墓が残っている。現在では国境警備隊が駐屯、住民は商業とナツメヤシの栽培を行っている。
[藤井宏志]
1986年、「ガダーミスの旧市街」としてユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産の文化遺産(世界文化遺産)に登録されたが、内戦に伴う政情不安などにより、2016年には危機遺産リスト入りしている。
[編集部 2018年5月21日]