日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガドリン」の意味・わかりやすい解説 ガドリンがどりんJohan Gadolin(1760―1852) フィンランドの化学者。オーボに生まれる。有名な物理学者の父のもとで、幼時から自然への興味を育てられた。オーボ大学卒業後1785年から同大学で教鞭(きょうべん)をとり、1797年から1822年まで化学教授を務めた。1794年、スウェーデン産の鉱物から新しい希土類元素を発見。現在ガドリン石とよばれるこの鉱物からは、次々と新しい希土類元素が発見され、その一つであるガドリニウムはガドリンにちなんで命名された。彼は元素に名を冠した最初の化学者である。ほかに気体の比熱、鉱石の融剤などの研究も行った。[藤田千枝][参照項目] | ガドリニウム | ガドリン石 | 希土類元素 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガドリン」の意味・わかりやすい解説 ガドリンGadolin, Johann [生]1760.6.5. トゥルク[没]1852.8.15. ビルモフィンランドの化学者。オーボ大学で化学を学んだのち,ウプサラ大学で鉱物学などを学んだ。オーボ大学の化学教授 (1797~1822) 。 1792~93年,スウェーデンのイッテルビの採石場からとれる珍しい石 (ガドリン石) を発見。のちにこれは 10種類以上の異なった元素を含んでいることがわかって希土類元素と呼ばれることになり,そのうちの1つにガドリニウムという名がつけられた (86) 。スカンジナビア諸国における A.ラボアジエの燃焼理論の普及者でもあり,比熱や潜熱の研究もある。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by