ガドリニウム(読み)がどりにうむ(英語表記)gadolinium

翻訳|gadolinium

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガドリニウム」の意味・わかりやすい解説

ガドリニウム
がどりにうむ
gadolinium

周期表第3族に属し、希土類元素の一つ。1880年スイスのマリニャックJean Charles Galissard de Marignac(1817―1894)が、サマルスキー石から初めて分離した。1886年、フランスのボアボードランがセル石中にみつけ、希土類元素分離に功績のあったフィンランドのガドリンにちなんで命名した。主要鉱物はモナズ石、バストネス石など。塩化ガドリニウムを約1000℃で金属リチウムによって還元してつくる。白色の金属で酸化数+Ⅲの化合物だけが知られる。水とは徐々に、熱水や酸とは速やかに反応して水素を発生する。化合物は一般に無色常磁性である。光学ガラスに用いられる。

[守永健一・中原勝儼]



ガドリニウム(データノート)
がどりにうむでーたのーと

ガドリニウム
 元素記号  Gd
 原子番号  64
 原子量   157.25±3
 融点    1310℃
 沸点    3300℃
 比重    7.9004(測定温度25℃)
 結晶系   六方
 元素存在度 宇宙 0.34(63位)
       地殻 5.4ppm(40位)
       海水 (/mgL-1)0.00000060

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガドリニウム」の意味・わかりやすい解説

ガドリニウム
gadolinium

元素記号 Gd ,原子番号 64,原子量 157.25。周期表3族,希土類元素ランタノイドの1つ。天然には7種の安定同位体が知られている。 1880年 J.マリニャクによって発見された。サマルスキー石,ガドリン石,ゼノタイムなどの中に含まれる。イオンは無色である。希土類元素共通の化学的性質をもつ。毒性については未知である。

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