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希土類元素 きどるいげんそrare earth element

知恵蔵の解説

希土類元素

レアアース」のページをご覧ください。

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉の解説

きどるい‐げんそ【希土類元素/×稀土類元素】

周期表3(ⅢA)族であるスカンジウムイットリウムおよびランタノイド15元素を合わせた17元素の総称。単体は一般に灰色または銀白色の金属で、化学的性質はよく似ている。レアメタルの一種。希元素とされていたが、実際には地殻にかなり存在する。レアアース。

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百科事典マイペディアの解説

希土類元素【きどるいげんそ】

周期表第III族に属する元素のうち,原子番号21のスカンジウムSc,39のイットリウムY,57のランタンLaおよびそれに続く58〜71のランタノイド元素の総称。
→関連項目常磁性信越化学工業[株]セリウムランタニド元素レアアース

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岩石学辞典の解説

希土類元素

周期表III族に属するSc, Yおよびランタニドの合計17元素の総称.これらの元素は当初比較的稀な鉱物から得られたので希土類と命名されたが,地殻全体の中での存在量は希少ではないと考えられている.物性的に興味のあるものが多く,工業材料に重要なものが多い.REEと略記することが多い.

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世界大百科事典 第2版の解説

きどるいげんそ【希土類元素 rare earth elements】

周期表原子番号57番のランタンLaから71番のルテチウムLuまでの15元素(ランタノイドという)に,さらにランタンと同族(第IIIA族)である21番のスカンジウムScと39番のイットリウムYを加えた17元素の総称。すべて金属元素で,61番のプロメチウムPmのみは人工放射性元素であり,天然には見いだされない。希土類の〈土〉とは,融点が高く,還元されにくい金属酸化物をさす古語であるが,これらの元素ははじめスウェーデン産のまれな鉱物から酸化物の混合物として取り出され(ガドリンJ.Gadolin,1794),その後20世紀初頭までに多数の化学者の研究によって現在知られている諸元素に分離されたのでこの名がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

希土類元素
きどるいげんそ
rare earth element

周期表3族に属するスカンジウム,イットリウム,ランタン,セリウム,プラセオジム,ネオジム,プロメチウム,サマリウム,ユウロピウムガドリニウムテルビウムジスプロシウムホルミウムエルビウムツリウムイッテルビウム,ルテチウムの 17元素に与えられた名称。レアアースともいう。このうち,ランタン以下の 15元素をランタノイド元素という。プロメチウムは天然には存在しないが,他の希土類元素は混合物としてペグマタイト鉱物などから比較的多量に得られる。 19世紀中期から末期にかけて混合酸化物から単離され,元素として同定されたものが多い。電子配置で異なるのは内側のf軌道で,他の電子配置がほとんど変らないため,化学的性質は相互によく似ており,相互の分離は非常に困難である。天然には比較的豊富に存在し,特にセリウム,ネオジムなど偶数原子番号の希土類元素の存在量が多い。ウランの核分裂によっても多量の放射性希土類元素が生じ,現在地球表面はこれらによるバックグラウンド放射線がかなりのレベルになっているとみられる。セリウムは発火合金に多く用いられるが,一部の希土類元素の単体および化合物は触媒,原子炉材料にも使用される。イットリウム,ユウロピウムを中心とする希土類元素が,カラーテレビのブラウン管の赤色ケイ光体に使用されるほか,サマリウムは熱中性子の吸収断面積が大きく,強力磁石の素材としても重要である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

希土類元素
きどるいげんそ
rare-earth element

周期表第3族のスカンジウム、イットリウム、および原子番号57~71のランタノイドの15元素をあわせた17元素の総称。スカンジウムとイットリウムを除いた15元素をランタノイドとよび、あるいはランタニドとよぶことがあるが、この名称は適当ではない。ときにはこれに、第二希土類元素といわれるアクチノイド(原子番号89~103の元素の総称)をも含めていうこともある。ランタンからサマリウムまでの6元素をセリウム族元素、ユウロピウムからルテチウムまでとイットリウム、スカンジウムをあわせた11元素をイットリウム族元素という。[中原勝儼]

存在

これらの元素の化合物は、初めは比較的希(まれ)にしか産しない鉱物から得た混合酸化物(土(ど)earthとよんでいた)から分離されたので、これを希土類元素(レア・アース)とよび、すべて希元素に属するとしたが、実際の地殻中の存在量はそれほど少なくないことがわかっており、希元素に分類するのはあたらない。たとえば希土類元素のうち地殻中の元素存在度が最大のものはセリウムであるが、これはスズ、鉛、亜鉛などよりも大きいし、最小のツリウムでもビスマスと同じ程度で、銀よりは大きい。ただし、プロメチウムだけは放射性元素で安定同位体は存在せず、天然には存在しない。また、一般に原子番号奇数のものは両隣のものに比べて存在量が少ない。[中原勝儼]

性質

セリウム族は水酸化物の塩基性が強く、モナズ石、褐簾石(かつれんせき)などの主成分となる。イットリウム族は水酸化物の塩基性が弱く、ゼノタイムやガドリン石などの主成分となって存在する。希土類元素の大部分を占めるランタノイドは内遷移元素(核外電子の電子配列が内部軌道であるf軌道で、原子番号増大とともに増加していることにより内遷移あるいは内部遷移とよばれる)で、化学的性質はよく似ており、またイットリウムのイオン半径その他も似ているため、これらの希土類元素は地球上でつねに共存し、鉱物から取り出しても混合物であることが多い。これらのことから各元素を相互に分離するのには困難なことが多く、溶媒抽出法、イオン交換法などを利用して行われている。
 単体は一般に銀白色ないし灰白色の金属。空気中では徐々に酸化される。酸および熱水には溶けるが、アルカリには溶けない。化学的性質はよく似ており、普通すべて酸化数+の化合物をつくるが、セリウム、テルビウム、プラセオジムでは+、イッテルビウム、ユウロピウム、サマリウムでは+の化合物もある。アルカリ金属、アルカリ土類金属に次いで陽性が強く、そのため水酸化物は強い塩基である。酸化物、水酸化物の塩基性は原子番号を増すとともに弱くなっている。一般に塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、過塩素酸塩、臭素酸塩は水に可溶、フッ化物、炭酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩は不溶で、硫酸塩は可溶性から難溶性のものまである。複硝酸塩、複硫酸塩、キレート化合物なども多く知られている。Sc3+、Y3+、La3+、Ce4+、Lu3+、Yb2+などは反磁性であるが、その他は一般に常磁性である。イットリウムなどを含む銅酸化物での高温超伝導体が多く知られており、この分野での発展は著しい。
 単体および化合物は、合金、触媒、原子炉材料などに用いられ、そのほか、磁性、誘電性などの特異性によって種々の用途がある。[中原勝儼]

産業

希土類元素(レア・アース)は、鉱山開発の副産物などとして世界各国で採掘されるものの、単体元素として分離・抽出・精製するのがむずかしいため、その採取だけを目的としては採算がとれず、希少価値が高い。充電式電池、高性能永久磁石、発光ダイオード、光学ガラス、研磨剤、排ガス触媒、レーザーなどの原料として不可欠で、液晶テレビ、蛍光灯、ハイブリッド自動車、光磁気ディスクなど幅広い先端技術製品に使われており、日本は世界生産量のほぼ半分を消費している。
 中国のほかアメリカ、旧ソ連圏、オーストラリア、インドなどに希土類元素を含む鉱石が分布するが、採掘人件費上昇や、残土に有害物質が含まれることがあるなどの環境問題のため、アメリカなどが生産を停止。2008年時点で、全埋蔵量の3分の1をもつといわれる中国が世界生産量の約97%を独占し、その他の国ではインドが2%、ブラジルが0.5%を産出するにとどまっている。資源ナショナリズムの台頭もあって、国際的に、極端な中国依存体質から脱却すべきだとの主張があり、アメリカ、オーストラリアなどで生産再開の動きが出ている。日本政府も中国以外の安定調達先を模索しており、民間企業の間ではベトナムやカザフスタンからの調達確保や、代替品開発の動きが出ている。[矢野 武]
『N・E・トップ著、塩川二朗・足立吟也訳『希土類元素の化学』(1974・化学同人) ▽佐佐木行美・高本進・木村幹・杉下龍一郎・橋谷卓成著『新教養無機化学』(1986・朝倉書店) ▽中村正和・菅沼恭子著『元素をめぐって1 希土類の輝き』(1991・研成社) ▽足立研究室編著『希土類物語――先端材料の魔術師』(1991・産業図書) ▽鈴木康雄著『希土類の話』(1998・裳華房) ▽足立吟也編著『希土類の科学』(1999・化学同人) ▽M・E・ウィークス、ヘンリー・M・レスター著、大沼正則監訳『元素発見の歴史3』普及版(2008・朝倉書店)』

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