化学辞典 第2版 「ガラクトシダーゼ」の解説
ガラクトシダーゼ
ガラクトシダーゼ
galactosidase
アリール-およびアルキル-D-ガラクトシドを加水分解して,ガラクトースを生じる酵素.また,加水分解とともにガラクトース残基をほかの糖,アルコール,およびフェノールへ転移するトランスガラクトシダーゼ作用も有する.本酵素にはα-ガラクトシダーゼとβ-ガラクトシダーゼがある.【Ⅰ】α-ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.22)はメリビアーゼ,ラフィナーゼともよばれ,α-ガラクトシドのほかにメリビオース,ラフィノース,そのほかのオリゴ糖にも作用する.【Ⅱ】β-ガラクトシダーゼ(EC 3.2.1.23)はラクターゼともよばれ,β-D-ガラクトシドのほかにラクトースにも作用する.両酵素とも細菌,酵母,糸状菌,高等植物(種子)および動物に広く存在する.β-酵素は大腸菌から結晶として得られている.同菌におけるβ-酵素の適応的生合成に関して,遺伝学上重要なオペロン説がF. JacobおよびJ.L. Monod(モノー)(1961年)によって提唱され,多くの研究が行われた.[CAS 9001-34-7]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報