日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラクターゼ」の意味・わかりやすい解説
ラクターゼ
らくたーぜ
lactase
ラクトース(乳糖)をグルコースとガラクトースに加水分解する酵素で、乳糖分解酵素ともいい、β(ベータ)-ガラクトシダーゼの一種である。微生物から高等動植物に至るまで広く分布し、いずれも異化に関与し、多くはラクトースをグルコースとガラクトースに分解することにより、エネルギー源として利用できる形にする役割をもつ。
一般に、哺乳(ほにゅう)類では離乳期に至ると活性が低下する。ヒトでも、周産期には活性が高くなっているが、5歳ころになると自然に活性が低下してくる。なお、ラクターゼの欠損ないし活性低下の状態でラクトースを摂取すると、乳糖不耐症をおこす。
[村松 喬]