ラクターゼ(読み)らくたーぜ(英語表記)lactase

翻訳|lactase

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラクターゼ」の意味・わかりやすい解説

ラクターゼ
らくたーぜ
lactase

ラクトース(乳糖)をグルコースガラクトース加水分解する酵素で、乳糖分解酵素ともいい、β(ベータ)-ガラクトシダーゼ一種である。微生物から高等動植物に至るまで広く分布し、いずれも異化に関与し、多くはラクトースをグルコースとガラクトースに分解することにより、エネルギー源として利用できる形にする役割をもつ。

 一般に、哺乳(ほにゅう)類では離乳期に至ると活性が低下する。ヒトでも、周産期には活性が高くなっているが、5歳ころになると自然に活性が低下してくる。なお、ラクターゼ欠損ないし活性低下の状態でラクトースを摂取すると、乳糖不耐症をおこす。

村松 喬]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラクターゼ」の意味・わかりやすい解説

ラクターゼ
lactase

酵素番号 3.2.1.23。β-D-ガラクトシダーゼ,乳糖加水分解酵素。アンズ,コーヒー,ウマゴヤシなどの高等植物の種子細菌かび,動物臓器 (肝臓小腸など) に分布。乳糖 (ラクトース) を加水分解してガラクトースとグルコースにする酵素。大腸菌からは結晶が得られ,また,大腸菌でこの酵素の生成を支配する遺伝子の研究が詳しくなされている。ラクトースのほかに諸種の合成β-D-ガラクトシドを基質とする。この酵素が欠乏すると乳糖が分解されず下痢が続く乳糖不耐症になる。

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