日本大百科全書(ニッポニカ) 「キイレツチトリモチ」の意味・わかりやすい解説
キイレツチトリモチ
きいれつちとりもち / 喜入土鳥黐
[学] Balanophora tobiracola Makino
ツチトリモチ科(APG分類:ツチトリモチ科)の多年草。トベラやシャリンバイなどの樹木の根に寄生する。根茎は塊根状で皮目がない。花茎は直立し、高さ10~15センチメートルで肉質、淡黄色の鱗片葉(りんぺんよう)をつける。雌雄同株。花期10~11月。花序は頂生し卵形または狭卵形で黄白色、表面に雌花を密生し、その間のところどころにやや大形の雄花を散生する。雌花には花被(かひ)がなく、子房は1室で花柱は細い。雄花は有柄で3枚の花被があり、雄しべは3本、葯(やく)は無柄。果実は裂開せず種子は1個。高知県、九州南部、沖縄および台湾に分布する。和名のキイレは、最初の発見地、鹿児島県揖宿(いぶすき)郡喜入(きいれ)町(現、鹿児島市)の地名に基づく。
[小林純子 2021年2月17日]