日本大百科全書(ニッポニカ) 「キツリフネ」の意味・わかりやすい解説
キツリフネ
きつりふね / 黄釣船
[学] Impatiens noli-tangere L.
ツリフネソウ科(APG分類:ツリフネソウ科)の一年草。全草が緑白色で軟らかく毛はない。茎は高さ30~80センチメートルでよく分枝し多汁質。葉は有柄で互生し長楕円(ちょうだえん)形、長さ4~12センチメートル、粗く鈍い鋸歯(きょし)がある。5~7月、葉腋(ようえき)に細い花柄を出し、3~5個の花がつり下がってつく。花は左右相称、淡黄色で径2センチメートル、内面に赤褐色の斑点(はんてん)があり、白色花もある。ツリフネソウに似るが距(きょ)は下向きに緩く曲がる。蒴果(さくか)は狭長形で両端はとがり、熟すと果皮が反転して種子を飛ばす。山野の水辺や湿地に群生し、北海道から九州およびユーラシア、北アメリカ西部に広く分布する。
[小林純子 2021年3月22日]